忘れられない言葉

ある日、長の友人とお茶をしていた時、

彼女が全く唐突にこんなことを言った。


「あの人たち、どこが悪いという風でもないのに

病気だと言っていれば

仕事もしないでお金を貰ってるって、どう思う?」

生活保護を受けている人を批判しているとも羨んでいるとも取れる口ぶりだった。

なぜそんなところに目を向けるのだろうと不思議な気がしたのを覚えている。


それから数年後、そういった彼女自身が難病になり、

生活保護ならぬ、障害年金を受ける身となってしまった。


「こんな風に国にお世話になっていいのだろうか・・・」と肩身が狭そうに言う。

「今まで働いてきたんだし、当然の権利なんだから堂々としていればいいのよ」

と言ったものの、なんともいえぬ違和感を感じた。


「働かざるもの食うべからず」という信念があるのだろう。

生活保護者に向けた矢は、自分に還ってきて自分を苦しめる。




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