「ふらつき」のこころ
ふらつきを訴える女性。
めまいではない。
いつからか聞くと、ご主人が亡くなった十数年前からだと言う。
一人暮らし。 娘二人、孫はなし。
あちこちの病院へ行き、あらゆる検査を受けたが原因不明。
いろいろな薬も出されたが、よくならず。
ここで、普通なら医療に頼ることを諦めると思うのだけれど、
最近はもっぱら注射に頼る。
注射をしたからといってよくなっているわけではなく、本人に言わせれば「気休め」
恐らく、注射に行けば世の中には多くの病人がいることを確認して自分ひとりでないことに安心し、わずかな時間でもコミュニケーションが取れることを期待しているのではないか。
少し話をすると物事を悪いほうへ悪いほうへと解釈する悲観的な人だとわかる。
人と比べる。卑下する言葉・ネガティブワードが多い。
自分でも「マイナス思考」だと自覚している。人と比べる。
「自分の周りは、私より年上なのにすごく元気な人ばかり」
「○○さん(娘さんのお姑さん)はお上品で頭がよくて気後れし、気遣いとで疲れる」
ふらつきは「精神的なものだと思う」と言うからいくつか質問をしてみた。
「自分の考えがふらつくということは、例えば人に左右されやすいとか?」
「それはある。いろいろいわれてその都度そうかなあと思ってしまう」
「自分の軸がない?いつからふらつきますか?」
「主人が亡くなってから。そうだと思う」
「ご主人が亡くなった後ふらつくというのは、頼りになる人を無くしたから?」
「そう、頼りになる人だった。頼り切っていた」
「今、頼りになる人は?」
「○○に住んでいる(電車で1時間ほど)娘。毎晩9時に無事だったことの報告の電話をしている。 心配をかけるような話はしない」
「その娘さんとの同居は?」
「気を遣う。娘の相手は長男で、むこうの両親に悪いと思う」
「ゆくゆくは娘さんのところで向こうのご両親をみなくてはならない?」
「むこうは次男さんが近くに住んでいるからいいのだけれど、それでも気を遣う」
「ひとりが気楽でよい」と。
それはそうでしょう・・・
主な訴え。
「ふらつきが半端ない。気分が悪い」
「食事は食べられる」
「わたし、ふらつくけど転んだことはないの」
「見て、こんなにしわくちゃ」
「ぼけてきたんかなあ?すぐ忘れる」
最新!
「ふらつきと仲良くやっていく」
いくつか投げかけたけれど答えが返ってきていない質問
「ふらつくことのおかげは?ふらつくのは辛いでしょうけれど、その裏にはふらつくおかげでが隠れているよ」
「マイナス思考のお陰さまは?例えば、マイナス思考だから慎重、とかありますよ」
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